ニュースで時々見かける「マンション・アパートから出火」
このニュースを見て、何が原因で火事になったんだろう。自分も気をつけなければいけないことはないだろうか。
そう思える人が何人いるでしょうか。”対岸の火事”になっていませんか?
実は、私の友人と仕事仲間の家が全焼する火災によって財産の多くを失ったのを間近で見ているという背景があり、私にとってはこれらのニュースは”対岸の火事”ではないのです。
火災は入居者がよくある出火原因のポイントを把握し、習慣的に注意することで防げるものと、電化製品の不良による火災等、事前の対策では防げないものがあります。
火災事故の際には、ほとんどの方が加入している火災保険を活用することになります。
自分の不注意によって起こした火災や、他人からのもらい火等もこの保険で対応されます。
この保険内容を理解しておくことも大切です。
これに関する記事は、失火責任法や 借家人賠償責任保険また、賃貸保険の見直しにまとめていますので参考にしてください。
今回はマンション・アパートで起きる出火原因と対策についてまとめていきます。
出火原因
では具体的に、何が火事の原因になっているのでしょうか。
総務省消防庁にまとめられている消防統計によると、2016年度の建物における出火原因は1位「コンロ」2位「たばこ」3位「放火」4位「ストーブ」5位「配線器具」となっています。他にも洗濯機や乾燥機から、電子レンジから、ボイラーからなど様々です。
では順に見て行きましょう。
コンロ
コンロが原因の火災には大きく分けて2つです。
・鍋に火をかけたままその場を離れたことによる出火
・コンロの火が服や周りの布巾などに燃え移ったことによる出火
揚げ物をする際、温度が上がるまでの少しの時間に火をかけたままトイレに行ったりスマートフォンでアプリをいじっている間に、油の温度が350~360度付近になった結果、発火がおきます。
この温度に達するまでの時間は、300gの油を火にかけている場合ではたった6~7分で発火したというデータもあります。
鍋を火にかけている際、特に油を使っている場合にはキッチンから離れない。離れる場合は一旦火を止める習慣をつけましょう。
タバコ
説明するまでもありませんが、タバコの吸い殻は非常に高温で、火がついている状態では中心温度が1000度近くにまで上がっています。
よくある事例は、
・タバコの吸い殻がベットの上などに落ちベットから燃えていまう場合
・灰皿の吸殻の火が消えきっていない状態でゴミ箱に入れ引火する場合
特に気をつけるべきは「寝タバコ」です。ベットの横に灰皿を置いて、寝る前、寝付けない夜、寝起きにすぐタバコを吸うという習慣はありませんか?そのままうたた寝をしてタバコがベットに燃え移り、あっという間に部屋に広がって・・・もしそのような習慣がある人は要注意です。
タバコは吸う場所をしっかりと決め、灰皿には水をいれるなどし、火災を防ぎましょう。
ストーブ
ストーブ関係の火災に関しては、ストーブ自体もそうですが、ストーブの周りに置くものに注意が必要です。
・洗濯物が地震などでストーブ上に落下し発火する場合
・スプレー缶を近くに置いたまま放置し爆発して火事につながる場合
・石油ストーブの場合で間違えてガソリンを入れたことによる異常燃焼による本体発火
・石油を注ぐ際に溢れた石油が熱されて発火する場合
対策としては、外出時には必ずストーブを切ること。説明書をよく読んで使用すること。そして、周囲に置くものがストーブに近すぎて異常に熱されていないか確認することが重要です。
ストーブには石油ストーブの他にもガスストーブが設置されている場合もありますが、石油ストーブの場合には自分で石油を足していかなければならないタイプもあり、こちらもさらに注意が必要です。
その他にも電化製品の周りの掃除をせず、コンセントの周りに溜まったホコリが原因で発火する場合などもありますので、被害を拡大させないためにも、洗濯機や乾燥機、オーブンを使用したまま外出しないことなども大切なことです。
以上、よくある火災の原因と対策についてまとめていきました。
入居してから住み始めもそうですが、慣れてきたころには気を抜いてしまい注意を怠ってしまいがちです。
火災のニュースを見た際には、”対岸の火事”ではなく”明日は我が身”と思って今一度注意の習慣ができているか確認しましょう。