部屋が決まり、待ちに待った入居の日。
何も置いていない部屋にウキウキ気分のまま、すぐに荷物を運び始めていませんか?
入居者には原状回復義務があります。退去時には多くの原状回復トラブルが発生します。例えばこんなトラブルです。
管理会社「天井付近の壁紙が少し破れているようなので、貼り替え費用のお支払いをお願いします。」
「いえ、そんな高い場所は届かないですし、高さのあるものは家には置いていないので、前に住んでいた方のものだと思います。」
管理会社「入居時にはチェックシートにて傷等はなかったと申告されていますので、この場合現在の入居者の方がつけた傷として、原状回復費用のお支払いが必要です。」
「(なんで?絶対私じゃない。泣き寝入りしなきゃいけないの?)」
もしこのような事を言われた際に、自分が付けた傷でない事を証明できない、でも納得できないと双方の主張がぶつかり、トラブルに発展していくのです。
退去トラブル防止のための対策は様々ありますが、今回は入居直後にすべき2つのことをまとめていきます。
1.部屋をくまなくチェックする
早く荷物を運び込みたい気持ちを抑え、まずはじめにやるべき事は部屋のチェックです。
ただざっとチェックするだけではダメです。ポイントは、くまなくチェックすることです。なぜなら、冒頭で例をあげたように、管理会社による退去時のチェックの際はかなり細かい箇所まで指摘される可能性が高いからです。
最近は入居時にチェックリストを記入し、管理会社に郵送することも多くなってきていますが、目に見える証拠も残しておきましょう。
かといって単純に部屋全体の写真を撮っても、細かいところが確認できなくては意味がありません。それぞれの項目で注意すべきポイントがあるので、それぞれまとめていきます。
壁・クロス
画鋲の穴
クロスの剥がれ跡・傷
黒ずみやタバコのヤニなどによる汚れ
床
ヘコみ・傷
穴(小さなものでも)
汚れ
窓
正常に開閉できるか
ヒビはないか
窓周りのカビ有無
網戸が破けるなどしていないか
浴室
カビ等の状況
ヒビなどの状況
換気扇は正常に動作するか
給水設備に水漏れなどの破損はないか
鏡は割れていないか
トイレ
正常に水を流せるか
トイレ周りのカビ
ヒビなどの不備はないか
収納扉の開閉に問題がないか
キッチン
収納扉の開け閉めが正常にできるか
汚れ・カビ
換気扇が正常に動作するか
水洗レバーの水漏れ
設備の確認
ボイラー、ストーブ、エアコン、インターホンなど備え付け機器が正常に動作するか
照明器具は正常に入切できるか
破損はないか
以上が主な確認項目です。
引っ越しの荷物を部屋に搬入する際に別途配送業者が傷付けていないか確認するためにも、写真を撮る、また設備の確認は非常に重要な事です。15分程度で済む事ですが、入居直後以降はできなくなってしまう事なので、必ずやっておきましょう。
2.契約書をまとめておく
入居中に何か問題がおきた際に必要になるのが契約書。
しかし、引越しが終わり、日常生活が始まってからは賃貸の契約書を利用することはほとんどありません。
するとどうなるでしょう。肝心な時に見付からず、どこにあるかわからないということが起こるのです。
ですので、契約書はわかりやすくジッパー付きのファイルなどにまとめ、わかりやすい場所にしっかりと保存しておきましょう。
以上入居直後にすべき2つのことでした。
退去トラブルの中にも、入居直後のちょっとした行動で防げる内容がたくさんあります。
最初しかできないことだからこそ、新生活の最初のちょっとの時間だけ、退去を意識してみてはどうでしょうか。